COLUMN

2020/7/14

黒はどの黒ですか? 黒色の種類の話

仕事上「ここは黒で」とか色指定を受けることは多々ありますのでそんな話を。

ところで「黒」とヒトコトで言っても種類かあるのをご存じでしょうか?

突然ですがこれ、何色の文字でしょうか?

bk10_2.jpg

「黒」ですよね?

bk10.jpg中身はこの色です。
使うソフトにもよりますが、例えばAdobe Illustratorでデフォルトのカラーパレットで「黒」を選択するとこの色になります。




では、これは何色の文字でしょうか?

bk100_2.jpg

「黒」ですよね?

bk100.jpg中身はこちらですが、先ほどのの比べれば濃い感じに見えますが、「黒」です。
だとすると、前のが薄い黒、もしくは黒じゃなかったんじゃないの?ということにもなりうるかと思います。






bk100_3.jpg最初の黒の数値的な内訳はこちらです。

CMYKのKの値が100%なので「黒」ですよね?

CMYKは「色の三原色」シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、+ブラック(Key plate=Black *頭文字BだとBlueと被るかららしい)

でも RGB(光の三原色)は#221815 とちょっと赤味の入った方向に位置しています。

それでも何色?となれば数値的にも「黒」としか言いようがないですよね。




bk10_3.jpg二番目の値はこちら。

CMYKのK:100にC:50 M40 Y:30 を加えたものです。

RGBは#020003で下辺の限界に達しています。

どうでしょう?これだと「濃い黒」って感じかもしれませんが、「黒」であることには変わりませんね。


ちなみにこの黒を「リッチブラック」と呼んだりします。



なら全部100%にしておけば誰がなんと言おうと間違いなく「黒」じゃん!!と思えますが、これも用途によって使い方があり間違えるとトラブルの元になります。


DTPの用途以外で、例えば日常的に「Word」なんかを使うことも多いかと思いますが、Wordの黒は何色でしょう?

bk3.jpg基本的に「Word」の色はRGBの設定になっています。

デフォルトの「黒」を選択すると、#000000 と上限いっぱいの黒(R:0 G:0 B:0)になります。

これで誰がなんと言おうと間違いない「黒」ですので使っても何の問題もありません。

ただ、それはPC内やWeb内での話だけで、
こと印刷」となると大きく違ってきます。






この上限に達した黒(RGB #000000)を CMYKに変換してみると・・・

bk1.jpgC:93 M88 Y89 K:80 になりました。

おおっ、ふんだんに色を投入して「濃い黒」だぜ!!

なんなら全部100%にして究極の「黒」にしてやろう!!なんてことも考えなくはないのですが、既にRGB上では上限に達しているのでこちらは(R:0 G:0 B:0)のまま変わりません。



簡単に言うと印刷の場合、この各色の色の値(%)は噴出するインクの量と同じようなものです。
「4つのノズル全部から100%全開で噴射して真っ黒にするぜ!!」
出来なくはないのでしょうが、どうなるかというと「紙がジャブジャブ」になります。習字と違って紙の方が動いて流れる訳ですから瞬時に乾かないと擦れたりインクが流れてしまうのは容易に想像つきますね。

でも、うちのプリンターWordの文章#000000で印刷しても大丈夫だけど?となるかもしれませんが、これはプリンターが自動で設定しなおして印刷しているからです。
何も設定せずに印刷ボタンをポチっとしても前出の「濃い黒」にはなりませんよね?
加えて自動で設定を変換・調整される(黒インクの量)ということは、黒以外の色にも影響するということです。画面上は赤なのに・・・とかありますよね?

プリンターの機種やソフトによっては細かく設定をして前出の「リッチブラック」を出せたりもしますが、個別の色や環境設定は難しいです(紙の種類によっても違います)
また、印刷会社によっても黒の割合はこうして下さいとか、「軟調設定」といって製作環境時点でこうして下さいとか、色々と条件は異なります。

自分の経験上ですが最近多用されているネット印刷などはCMYKの値は全部足して「220%」以下というのが安全ラインかと思います。なので自分はデフォルトで黒(リッチブラック)はC:50 M40 Y:30 K:100に設定しています。
(印刷物には使いませんがRGBのリッチブラックなら「#020003」)

もちろん各印刷会社でリッチブラックの値はここまでとか指定があるので、みなさんもお使いになる際は必ずチェックした方が無用なトラブルを回避できると思います。

日常一番よく使う「黒」ですからちょっと色選びやプリンターの設定にもこだわってみると単なる書類もちょっとリッチになるかも知れませんよ。

 

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  2020/07/14   ABOVE